資産運用のススメ

 日本では学校で資産運用について学ぶことはほぼなく、社会人になっても自ら積極的に学ぶ機会を設けないと資産運用について考えることは少ないように思えます。

 資産運用は資産運用必要なのか、必要だとしてどのような運用をすべきかについては人それぞれの環境で変わりますが、きちんと学んで実践すれば多くの人にとって資産運用は人生を豊かにするための役に立ちます。しかしながら、資産運用の視点というよりは、あまり深く考えずに〇〇が儲かる!という話を聞いてそれを真に受け、よく考えずに足を踏み入れ失敗するという事例が後を絶ちません。

自分の頭で考える習慣を持つ

 とりあえず周りの知り合いから儲かると聞いたから株、あるいはビットコインという人や、業者の方のセミナーで不動産がミドルリスクミドルリターンで年金対策あるいは節税になるとか、太陽光発電は国の政策だからノーリスク(※世の中にノーリスクで儲かる話はありません)と聞いてやってみたとかいろいろな方の話を聞くことが多いです。もちろん私も個人の方が投資をされるのと同じように、個人の立場でそれらの話を伺って実際に投資をすることもあればしないこともあります。その基準は、自分に向いているか、自分の許容できるリスクの範囲で進められるのかということを自分の頭で考えるということにつきます。

資産運用として何を行うべきか

 これはその人の資産の保有状況、理解レベル、ストレス耐性、属性(融資が引けるかなど)によっても大きく変わってきます。ただ、確実に言えることは多くの人にとって最終的には複数の資産にポートフォリオを組むのが正しい選択になります。ポートフォリオを組むとは、複数の投資対象、つまりペーパーアセット(株、債券)、実物資産(不動産、金)の視点や海外・国内の視点で試算を組み合わせて持つということです。最近ではデジタルゴールドとしてビットコインを機関投資家も組み入れていますが、それらもバランスを考えながら保有するということです。

 どれか一つの投資対象に集中することは大きく成功する可能性もありますが、その逆もあります。例えばビットコインはこの1年の間に10倍程度になりました(暗号資産の場合は高額になると利益の半分ほどが税金でなくなりますが)。3.11の震災以前には安定配当でつぶれることはないとして東京電力の株に投資していた人がいましたが3.11で大暴落しました。一見良さそうに見えるものでも集中するということはリスクが増大するということは理解しておくべきことです。

 そして資産運用においては、それらの資産を組み合わせることでリスクを抑えつつリターンを大きく得られるということが知られています。興味のある方は「現代ポートフォリオ理論」について調べてみてください。

最後に

 色々な資産に分散させるのが良い選択になること、自分の頭で考えるべきということを、まず理解してもらえればと思います。ただし、やみくもに分散させることは管理の手間を含めて効果がほとんどありませんし、自分で考えるといっても何をどう考えたらいいかわからないという人も多いと思います。何かひとつ興味を持ったところから勉強することをお勧めします。

 株や不動産については、その投資の考え方について様々な書籍や情報がありますので学習しながら考えるのに向いています。

 株も不動産も投資としては、その資産価値と収益力、さらに時間価値を考慮するという点が共通しています。株のメリットは流動性が極めて高いこと、不動産のメリットは減価償却費を生かした税のコントロールが行えることなどがあります。デメリットとしては株は暴落したり上場廃止や倒産などで資産価値がゼロになりうること、不動産は流動性が低くすぐに売れないこと、確定申告含めて管理など面倒なコストがかかる(不動産は投資というよりは事業と言えます)ことなどがあります。

 投資対象についてのより詳しい内容はまた別の機会に譲りたいと思います。

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