令和3年3月3日に創業した当社は、おかげさまで第6期を迎えることができました。

創業当初は、人の会社の立ち上げ支援やエンジェル出資の経験はあっても、自分自身の会社を立ち上げるのは初めてのことでした。コロナ禍という制約の多い環境の中での船出ではありましたが、一つひとつのご縁と課題に向き合いながら事業を積み重ね、第5期まで黒字経営を継続することができました。

これもひとえに、お取引先様、関係者の皆様のご支援の賜物です。心より御礼申し上げます。

この5年間は、単に売上や利益を積み上げる期間ではありませんでした。創業以来掲げてきた、人々と社会のありたい姿を支援するというミッションのもと、IT、AI、資金調達、事業投資、事業承継、小規模事業者支援など、当社を中心とするグループとして関わる領域は少しずつ広がってきました。

また、事業の広がりに応じてグループ会社を設立し、施設、設備、資金、情報、人材など、支援の対象と手段も増えてきました。その過程で当社が特に重視してきたのが、AIの実務活用です。当社では、AIを一部の業務効率化ツールとしてではなく、情報整理、意思決定の補助、業務設計、資料作成、システム化、投資検討など、事業運営を支える基盤として活用してきました。AIを前提とした仕組みづくりを進めることで、過度に人員や固定費を増やすことなく、複数の事業を展開し、グループ会社の設立と運営を進めることができました。その一方で、一定の内部留保を確保しながら経営を継続できたことは、今後の展開に向けた重要な基盤になったと考えています。

当社のミッションが生まれたときの思いは、今も変わりません。個人にも法人にも、それぞれのありたい姿があります。しかし、多くの人は学校でお金や経営について十分に学ぶ機会がなく、また、身近に適切な相談相手がいるとも限りません。当社は、ご縁をいただいた方々の抱える不安や課題を共有し、その解決の一翼を担う会社でありたいと考えてきました。

一方で、当社自身のあり方は、次の段階へ進める時期に来ています。

これまでも当社は、自ら資本を投じ出資先の成長に関わってきました。今後はその方向性をより明確にし、単に業務を受託して収益を得る会社ではなく、自ら資本を投じ、その投資成果によって収益を得る会社としての性格を強めてまいります。

その背景には、スタートアップや小規模成長企業を取り巻く環境の変化があります。

昨年、東証グロース市場において、上場後一定期間を経た企業に時価総額100億円以上が求められる方向となったことで、これまで現実的な出口の一つであった小規模なIPOは、以前よりも選びにくいものになりつつあります。

その結果、スタートアップや小規模な成長企業にとっては、上場だけを目指すのではなく、事業会社へのM&A、資本提携、事業承継、共同事業化などを含めた、より現実的で多様な出口戦略を考える必要が高まっています。

また、VCなどの投資家にとっても、投資先が想定する投資期間内に時価総額100億円規模を目指せるかどうかは、これまで以上に重要な判断材料になりつつあります。そのため、事業としての価値や収益性が見込めても、目指す市場や事業領域の規模が比較的小さいスタートアップは、従来型のVC投資では資金調達が難しくなる場面が増えていくと考えています。

これは、資金を必要とする会社にとっては厳しい変化です。一方で、当社はそこに新たな機会があると考えています。

すべての会社が、時価総額100億円以上を目指すスタートアップである必要はありません。市場規模は限られていても、優れた技術、顧客基盤、運営ノウハウ、地域での役割、継続的な収益力を持つ会社は数多く存在します。VCの投資対象から外れやすい会社の中にも、資本の入れ方、経営の関わり方、仕組みづくりによって、事業価値を高められる会社はあると考えています。

当社を中心に当社グループは今後、そうした会社や事業に対して、自ら資本を投じ、その投資成果によって収益を得る会社としての方向性を強めてまいります。そのうえで、投資先や関係先から必要とされる場面では、経営への関与、事業運営の支援、仕組みづくりにも踏み込み、資本と実務の両面から事業価値の向上に関わってまいります。

当社が大切にしたいのは、単なる規模の拡大ではありません。関わる人や事業が、本来目指す姿に近づいていくことです。そのために、これまで培ってきたIT、AI、経営、投資、資金調達の知見を活かし、必要な場面で実務にも関わりながら、事業の継続と成長を支えてまいります。

第6期は、当社にとって次の段階への移行を明確にする期になります。

創業以来掲げてきた、人々と社会のありたい姿を支援するというミッションのもと、感じ、考え、行動するというバリューをこれからも実践しながら、全体最適カンパニーというビジョンに向けて、当社自身も変化を続けてまいります。

皆様のありたい姿の実現に向けて、当社がその一翼を担えるよう、今後も誠実に取り組んでまいります。

2026年6月吉日
インベストメント・ビジョン合同会社
代表 島田三義