急激に下がっているAI活用ハードル

1ヶ月ほど前に、基礎調査でのAIの活用として、ChatGPTのページを利用して簡単に活用ができることを示しました。それからこの1カ月間でさらに劇的な変化や活用が進んでいます。ひとつは、ChatGPTのAPI提供によって容易に独自での利便性を高めることが可能となったこと、もうひとつは各社からAI活用のハードルが下がるサービスが発表されていることです。ネットを少し探すだけで、さほど高い知識がなくても、簡単にAIを活用できる環境が整っています。今回はそんな例をいくつか紹介したいと思います。同時に、AIの自動生成機能により、音楽・映像・文章などのコンテンツが驚異的なスピードとレベルで生成されるようになり、元となる作風や素材の活用度などにより著作権の問題がフューチャーされるようになっているため、既にAI生成を見抜くAIが活用されているという局面に入っていることは留意されることを望みます。基本は、調査・分析での活用や活用のためのアドバイスがコンサルタントに求められているものであると弊社は考えています。また、社内利用のプログラムの作成やデバッグ、リファクタリングなどにも非常に有意義であり、弊社でも既にプログラム作成で活用を進めています。

ChatGPTのAPIを活用したLineBot

ChatGPTのページを利用した質問や回答でも良いのですが、いちいちPCを開くのも面倒ですし、自分好みのAIとして、言葉遣い、回答の質、性格などを決めて、その人とやりとりするようなことができたら外出中でも気軽に質問できます。弊社でもこのLineBotを作成したことで、気軽にAIをアシスタントとして利用できるようになりました。同様のものを作成して、QRコード表示で友達公開している方がいるのを確認していますがAI側の課金の問題があるので、今のことろは弊社でのみ使用としています。今、スタートアップ界隈では、ChatGPTをLINEBotとして使えるようにするのがプチブームなようです。なお、作成・調整時間は30分程度です。もちろん、API活用なので、Slack、キャプチャの都合上PC上のLINE画面を使用していますが、もちろんスマホ上のLINEで利用できます。前回(基礎調査でのAIの活用)と同じ質問ですが、コンサルアシスタントとしての性格付け等により、若干回答が変わっています。前回のページと比較して頂ければ、ポイントを絞っていたり、説明がわかりやすいなど、出先での活用がしやすいようになっています。

ChatGPTのAPIを活用した音声会話型Bot

1と同様に、文字入力をできず会話の形で調査を行ってほしい場合もあります。弊社では音声型Botも活用しています。より詳しく調べたい場合や別の視点を取り入れたいなど、1と異なる回答が得られようにすれば、多数の視点で事前調査を進めることもできます。Siriと同様に音声質問をして音声で回答が行われていますが、回答は聞き逃してしまっても問題ないようにスマホ上の”メモ”に残されます。

音声入力できます(上記は入力途中)

以下では、音声回答の後、スマホに残されたメモをキャプチャして画面配置を結合・加工したものです。

左側が、トラック業界の課題、右側が中小トラック運送業の課題について質問したものです。先に挙げた、LineBotよりも説明的な回答になっているのがわかると思います。

NotionAI による原稿作成

Notionというドキュメント管理サービス(2021年10月の日本語ベータ版リリースにより日本でも利用者が拡大しています)があります。これはこれで面白いサービスで、一か所にあらゆるドキュメントを簡単にまとめて置いておくだけでなく、チェックリスト、チーム共有ができるなど、多機能メモアプリを通り越して、万能サービスになりつつあります。そんなNotionがNotionAIを発表(PRタイムズ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000088144.html) したことで激震が走りました。無料回数を超えると有料になりますが、それでも月額たったのUS$10=1350円程度で、文章の下書きや構成のドラフト(たたき台)を自分で考えなくてよくなる上に、それら作業で部下を雇おうと考えていた人がいるなら躊躇してしまうレベルだったからです。

AIに文章を書かせることができるし、その日本語もしっかりとしています。なんなら打ち間違えのある人間よりまともな文章を書いてくれます。もちろん、間違った内容の場合もありますが、それは部下に頼んでも同じ。とりあえず、文章やメモを作るサービスなので、その便利さが段違いなのです。以下は質問と似たようなテーマで文章を書かせたものです。文中で選択リストからAIに文章を依頼することができます。

同じ質問ばかりでは面白くないので、改善策の概要を考えてもらいました。以下のような入力ができます。

入力後、しばらくすると下記のような構成が出力されました。

これらをうまく組み合わせ、自分で考えた内容を含めて文章の構造を考えて、中身をAIに書いてもらうことで書籍等の一部を簡単に準備することが可能になります。もちろん、実際に発表等する上では、筆者自身の体験や考えを織り交ぜながらリライトして、付加価値をつけていくことが必要なのは言うまでもありません。

おわりに

上記のように、AIが容易に活用できるようになりどんどんと身近になってきています。AIを活用しない企業は確実に周囲から取り残されることになりますが、大事なものは製品やサービスです。製品やサービスの質を高めるために、業務で代替できる部分や変革できる部分にAIを含むITの利活用を行うという視点と、AIの自動生成機能による著作物に対しての配慮を忘れてはなりません。

最後に、AI生成による著作権の問題への対策として、既にAI生成を見抜くAIが活用されているという事例について参考として、クリエータープラットフォームのスケブ社の事例(SkebのAIに対するスタンスとAI生成データを検出するAIの導入につきまして)をご確認いただければと思います。

最終的にAIを使う人間の倫理観(考え方、魂の吹き込み方、活用方法)が重要になっているのは、遺伝子操作などのジャンルと同様です。弊社では、AI活用はもちろんですが、AI活用以前の業務の効率化や経営コンサルティングを通して、M&Aや事業承継を考えている企業のバリューアップを支援いたします。