2025年5月 DXへの取組みの現状について
令和5年5月5日に公表し環境の変化に合わせ改定してきた「DXへの取り組み」の進捗状況等について以下に公表いたします。
DX推進における課題、進捗状況、今後の方向性
当社のDX推進における当面の課題と進捗状況、今後の方向性は、以下の通りです。なお、記載内容における将来に関する事項は、更新日現在において判断したものです。
コンサルティング事業を含む情報収集整理とAI活用
生成AI活用のフェーズがあがり、AIエージェント時代に入ったといえる状況です。AI活用が普通に行われるようになってきましたが、ヒアリングをすると中小企業では検索の代替程度の使い方をしているところがまだ多く、実務に完全に組み込んでいる所は少ないと感じています。また、経営コンサルティングを行う中小企業診断士側においては比較的AI活用が進み企業の経営分析に活用するなどの話もようやく聞くようになってきました。当社においては、経営分析の先の戦略・戦術策定や実行フェーズにおける、AIの並列活用等による情報収集・整理等を行っています。顧問先企業においては最新のAI知見を活かしたこれらによる情報提供に加え、AI活用戦略などの提供を進めています。グループ会社では、AIを活用した実際の戦略立案と店舗運営での適用により、その効果を検証し成果を得ています。この活用パターンを仕組化することを含めた独自の知見のデータ化による蓄積や、単純な検索では収集できない価値のある情報を独自に収集し、整理提供することが今後の方向性と考えています。
社内システムの改修とAI活用
外部の会計システムと連携する自社製のデータ作成システムに対して、昨年度より既存システムに対して、徐々にAIを活用したプログラム改修を進めており、現在は、設計~実装まですべてAI活用する方向へと移管を検討しています。試験的にグループ会社で行っているデータ集計の仕組みをAIにより調整を経ながら設計、開発(予定表API連携、アクセス権のあるWebサイト、NotionデータベースAPI連携)まで行い作成に成功しています。現時点ではすべてをAIに任せることはできていませんが、AIに任せられる部分を増やし設計、開発、検証の労力を削減していくことが今後の課題です。
共通公開情報
弊社が手掛ける投資事業に関連して、前期から試験的に ECF(株式投資型クラウドファンディング)に関する情報を整理したものを順次整理して公開・更新するページを作成しています。現状、ECFに関しては株式の募集時に情報が公開されるものの、その後の状況について不明確であったり不適切な運営により、募集後ほどなくして事業停止している企業も散見されます。ECFの募集情報を整理しているサイトはあるものの、ECFでの募集企業のその後を含めて横断的に調査・整理しているものはないため、未公開株市場の今後の発展や投資家の裾野を広げるために徐々に充実させ、その認知拡大により、当社の調査レポーティング・未公開株買取へとつなげていく考えです。
情報セキュリティ対策
前期の4月に重点課題と課題を設定しており順次対応を進めました。なお、これら進捗については、社内情報共有サイトで共有されております。この3つの重点課題及び4つの課題としたものについては先月対応を完了し、新たな情報セキュリティ対策について策定を進めております。
また、今後も当社ホームページ上で戦略推進状況について随時情報発信を行ってまいります。
令和7年5月10日
インベストメント・ビジョン合同会社
代表社員 島田 三義
中小企業のIT・DX ~ 弊社の実例概要 ~
大企業から中小企業まで、どこに行ってもDXという言葉が聞かれるようになりました。本来のDXとはデジタルを活用することでビジネスモデルや働き方に変革をもたらすことだと言えます。実際はDXとITの区別がついておらず、ただのデジタル化(IT化)をDXと言ってしまっている例が多いのが実状です。しかしながら、DX化でなくてもIT化を進めることは、その後のDX化につながる可能性があります。特に中小企業では大企業に比べ小回りが利きやすくその後の期待値は高くなります。
大企業の多くはもともとIT化が進んでいますので、本来のDXを進めないとあまり仕事が変わるということがありません。メール・チャット・オンライン会議・グループウェア等での情報共有などは当たり前のように導入されています。一方で、ITツールの導入で、これまでやってきたものを一気に変えるなどということは組織文化によって大変だったりします。根本的にビジネス全体を変革するような取り組みを進めないとDX化とはならないのですが抵抗勢力も多かったりして、大規模なお金をかけた割にうまくいかないということも起こります。結果、なんとなく”やった感”が出て反対も少ないRPAを導入して業務を自動化する程度に収まり、大企業なのにただのIT化で終わることがあります。
一方、中小企業はというと企業によりITの導入レベルにだいぶ差があります。例えば、自社のドメインがなく、仕事で個人のgmailを使っているということが普通にあります。打刻印字型のタイムカードを使っているのもよく見かけますし、実物の印鑑を押す書類などもあります。何か新しく便利なものを導入してみるということがなかなかできず、前から使用していたものを引き続き使って、お金や新たな時間をかけないようにするという考え方が多いようです。
このような状態なので、IT化やDX化を進めるところとそうでないところでどんどんと差が開いてしまうことになります。実際の現場を見る限り、まずはIT化をしてITに慣れるところからスタートしないといけないところも少なくありません。
弊社は現在、小規模企業に該当しますが、創業時からIT化やDX化を意識して業務を構築しています。事業・業務そのものを手探りで拡張をしているさなかであるため、発生しうる業務・データを考えながら、どのようにフロー構築・デジタル活用するかを調整しながら進めています。つまりはじめらかDXというわけではなく、まずアナログ業務をできるだけ排除し、汎用処理はシステム化・連携化を図れるように置き換えや連携することを意識しています。まだ整理ができておらず、今後統廃合や他のものへの置き換えが起こることは当然ですが、特に小規模企業は小回りがきき、スクラップアンドビルドしても影響範囲が狭いため、どんどんと変革がしやすいというのがメリットです。
今回は、法人設立手続き~設立2年目現在の弊社のIT/DXの状況実例ついて概要図を示します。まだ整理がついていないところもありますが、業務はある程度スムーズに回っています。また基本はミニマムプランやフリープランでの利用ですのでコスト(固定費)はほとんどかかっていません。利用頻度が上がってくるならグレードを上げる、利用する必要がなくなればやめるなど臨機応変に対応してある程度の形を作ることが必要です。
<行政関連手続き>

<社内業務>

IT化・DX化の切り口は、行政手続き/取引先とのやり取り/日常業務自動化/データ保存/会計処理 あたりがポイントになります。今後、それぞれについて記事にしていこうと思います。どのサービスを利用すべきかやどのように進めるかというのは、企業の状況や目指す方向性によって変わってきます。何から手を付けたらよいかわからない、とりあえず相談したいという場合は、弊社までご連絡ください。
中小事業者向けIT支援サイト紹介ーここからアプリー
中小機構(中小企業基盤整備機構)のIT支援施策の一環として、「ここからアプリ」というWebサイトができています。このサイトを利用することでITが身近に感じられていない事業者様もITを活用してみようか、あるいは、ITって思ったほど難しくないかもしれないと感じられるかもしれません。近年話題のDX化とIT化は異なる概念ではありますが、中小企業の場合、まずIT化を試してみることでDX化につながることも少なくありません。この記事では、ここからアプリの活用について簡単に説明します。
ここからアプリのWebサイトは、こちら (クリックでリンクします)を利用して参照してください。このサイトはスマホにも対応しています(著作権の都合上、サイトの画面はかなり粗いモザイク・ぼかし処理をして元の画像が読み取れないようにしておりますことをご了承願います。)
Webサイトの概要(メニュー構成)
ここからアプリの上部メニュー構成とその内容です。
・ここからチェック・・・・・・業種ごとに目的(経営課題・業務課題)に対応するお助けアプリを簡単に選んで探すことができます。
・アプリ検索・・・・・・・・・業種ごとに目的(経営課題・業務課題)に対応するお助けアプリを細かく設定して探すことができます。
・導入事例・・・・・・・・・・業種・地域ごとに目的(経営課題・業務課題)に対応した事例を探すことができます。
・アプリ選択ガイド・・・・・・業種を問わず目的(経営課題・業務課題)に対応するアプリの選び方の参考となる情報を確認できます。
・支援者の方へ・・・・・・・・(弊社のような)IT支援を行う人たち向けの情報がまとめられています。
・お役立ち情報・・・・・・・・IT導入支援施策(補助金や調査結果)や支援機関がまとめられています。
アプリ選択ガイドの画面やお役立ち情報の各コンテンツへの遷移先画面ではサイドメニューから、特集記事やセミナー情報などを選択的に表示させることも可能です。
事業者の方向けの簡単な使い方
ITに不慣れな方は「ここからチェック」の活用をオススメします。自分の業種にあったお困りごとをアイコンと合わせて選んでツールを探す(知る)ことができるので、非常に簡単です。ここからチェックのメニューをクリックすると以下のような雰囲気の画面(以下は粗目モザイク処理をしています)が出てきます。
自分の業種にあった画像をクリックします。以下では、理容・美容業をクリックした画面を表示します。以下のように左側に目的のカテゴリ、右側に対応するアプリやシステムのカテゴリが記載された画面が表示されます(以下では粗目のぼかし処理をしています)。ここで当該カテゴリ(ホームページ作成など)のアイコン(図)をクリックするとアプリの絞り込み画面、アイコン下の「アプリのガイド記事を見る」をクリックするとアプリの選び方の説明記事を閲覧できます(PCで見る方は、コントロールキーを押しながらクリックして別画面で表示するか閲覧後画面で戻るボタンを押してください。複数項目の閲覧をしたい場合にこの画面に戻る必要があります。)

ここでは、下の方にある「経営やお金の管理をしたい」という目的の会計アイコンをクリックすると(すべての事業者様に同じメニューがあります)以下のように、対応するアプリが検索されて表示されます(以下は粗目モザイク処理をしています)。

ここで興味のあるソフトをクリックするとその概要を確認することができます。以下では「クラウド会計ソフトfreee」をクリックしました。

注意点としては、下の方にランニングコスト等の記載がありますが、これはある特定のプランを選択した場合の事例なので実際にかかる金額はこれより少ない場合もあります。通常、クラウド系のソフトウェアは複数プランがありプランにより金額が異なることが通例だからです。あくまでここに表示された情報は目安であるため、実際の判断は各システムやアプリの機能・金額などを総合的に判断する必要があります。
(弊社では、そのような判断の支援、比較情報の抽出等も行っております)
実際の活用について
どの業者様でもWeb閲覧さえできれば、「ここからアプリ」を利用して自社の課題解決につながるアプリの候補をみつけることが可能です。当該サイトには比較的簡単に導入できるツールが多いように見受けられます。例えば、ホームページ作成などでは、その場ですぐに作れるような簡単なものがそろっています。一方で将来的に複雑なことをしたいという場合には物足りなくなる可能性は否定できません。しかしながら将来のことを考えすぎてハードルを高くして何もやらなくなるよりはやったほうが良い場合もあります。ここに記載以外のシステムの情報や活用方法についての詳しい情報やアドバイスが欲しい場合は、弊社などIT導入支援を行っているコンサルタントに依頼するのが良いでしょう。例えば、上記のfreeeで言えば単に導入しただけでは活用は不十分でデータ連携して帳簿入力を省力化することが必要ですし、対応する税理士の方が当該ツールを使えないと意味がありませんから、総合的な判断をする上では、よきアドバイスをしてくれる方や必要に応じて実際に活用するための支援ツール作成等をしてくれる方が必要になります。弊社では、各種支援ツールの導入に際してのアドバイスだけでなく、実際の導入に付随する支援ツール等の作成も含め一貫して対応が可能です。
まとめ
・「ここからアプリ」サイトを活用すれば、自社の経営課題解決につながるシステムの情報を得られる。
・実際の導入については、複数の候補の中から自社の現状・課題等を総合的に考えて適切なものを選択する必要がある
・システムの利活用含めて、適切な判断や導入を行うためには専門家などアドバイスを受けたほうが良い
IT導入補助金2021はじまる
IT導入補助金の受付が開始されています(一次締め切りは5月)。今年度のIT導入補助金は通常枠(A・B類型)に加えて制度が一部異なる低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)があるのがポイントです。gBizプライムアカウントは必須です。常日頃からお伝えしておりますが、gBizプライムアカウントを取得していないと今後、支援金や補助金による資金調達は”できなくなる”流れになっていますので今回補助金を申し込まない方もgBizプライムアカウントは必ず取得しておきましょう(現在3週間待ちと言われています)。また、IT導入補助金については、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」に宣言(情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度)をして登録する必要がある点が特徴です。
どんな補助金?
中小企業等が自社の経営課題を解決するITツール(システム)を導入する際に、その資金の一部の補助を受けられるものです。2023 年から 2025 年までの 3 回と事業実施報告が必要です。大きく分けてA~Dの4つの類型(細かくするとC類型はC-1類型とC-2類型に分かれ5つ)がありそれぞれ要件と補助額基準が異なります(類型については別途説明)。また、ただツールを入れれば良いというものではなくIT導入支援事業者と一緒に計画を立てて申請を行う必要があります。
いくら補助されるのか
申請する(できる)類型に応じて補助金額は以下の通りです。補助率の高いC・D類型がポイントです。
A類型 補助率1/2以内(30 万円以上~150 万円未満)
B類型 補助率1/2以内(150 万円以上~450 万円以下)
C-1類型 補助率2/3以内(30 万円以上~300 万円未満)
C-2類型 補助率2/3以内(300 万円以上~450 万円以下)
D類型 補助率2/3以内(30 万円以上~150 万円以下)
各類型はどのように判断するのか
細かな違い(プロセスに対する要件など)は実際に申請を考えるときに判断してもらうとしてここでは概要を記載します。
A~D類型の大きな判定要件は、1.非対面化ツールであるか(コロナ対策か)、2.複数プロセス間の連携ツールか、3.クラウド対応ツールかの3点です。それと金額の多い少ないを決める重要な要件として賃上げ目標というのがあります。
1.非対面化ツール(コロナ対策)か
非対面化ツールでない場合は、AorB類型での申請しかできません。他にプロセス数の要件もありますが、B類型での申請を行うには賃上げ目標が必須となります。非対面化ツールの場合には2の判定を行います。
2.複数プロセス間の連携ツールか
非対面化ツールの場合には、率・額の大きいC・D類型で申請できる可能性があります。複数プロセス間で連携を行うツールの場合はC類型が確定します。C類型の中で、賃上げ目標を設定する場合には最も高額な補助を受けられるC-2類型の申請ができますが、目標未達の場合は補助金の返還が必要となるので注意が必要です。C-1類型での申請の場合は賃上げ目標は補助金審査の加点要素になりますが必須ではありません。
複数プロセスでの連携を行わないツールの場合は、3の判定を行います(A or B or Dとなります)。
3.クラウド対応ツールか
クラウド対応ツールである場合はD類型になります。D類型の場合、賃上げ目標は補助金審査の加点要素となります。クラウド対応ツールでない場合やクラウド対応ツール出ないものを含んでいる場合は(非対面化ツールであっても)残念ながらAorB類型での申請となります(1.に記載の条件と同じ)。
対象となるツール等
対象となるツールはIT導入支援事業者により事務局に対して事前に登録されたITツールだけです。なので単に自分でツールを見つけて導入しようと思ってもIT導入支援事業者が登録していないと補助金が出ません(申請できません)。また、この補助金を受けるにはIT導入支援事業者と共同で申請する必要があるので、IT支援事業者とツールはワンセットとなります。また基本的には申請して交付が認められてから事業の実施となります(例外アリ)
今後対象となるツールの検索ツールが導入される見込みとなっています(2021年4月9日現在)が、現状はIT導入支援事業者のpdfが公表されているのみです。
この件も含めてIT導入補助金についてはFacebookページが更新されるようですのでFacebookアカウントをお持ちの方はフォローすることをお勧めします。
まとめ
・申請に関係なくgBizプライムアカウントは取得する
・IT導入補助金2021では、gBizアカウントと「SECURITY ACTION」宣言が必要
・補助金の類型に応じて最大450万円(補助率は最大2/3)まで補助金が受けられる
・IT導入支援事業者と共同で申請する(原則申請し決定後の導入となる)
企業がExcel集中から脱却すべき理由
日本の企業の多くでExcelが多用されています。その柔軟性からExcelを方眼紙のようにした入力フォームや各セルに入り組んだ計算式、処理を自動化させたマクロなど本当に作りこまれているものが多いです。実際の所、Wordで文書を作るよりも直観的で柔軟なレイアウトがしやすく、思いついた計算やシミュレーションを気軽に試せる、ちょっとした作業を自動化するなどがすぐ形になり、それを少し手直ししてそのまま利用すれば非常に効率的に感じられるのです。でも、今そのExcel脱却を検討すべき時が来ています。
Excel地獄
Excelは個人で作業する分には良いのですが、それを人に配賦した瞬間、何がどうなっているかわからないとか、使いにくい設定がされているということになりがちです。Excelには非常に便利な機能がありそれらを使うことで業務が劇的に効率化されます。エキスパート(Aさんとします)になればなるほどそのような機能を使って資料を作成するためスピードも速く効率的な業務ができます。一方で、Excelが使えると思っているだけの人(Bさんとします)は、SUM関数やセルを選択しての足し算、よくてIF分が使える程度ということが良くあります。Aさんが作った資料はBさんからすると、「どこで何が設定されているのか」あるいは「セルの中で使われている式の意味」が分からないということになりシートの解析が容易にできなかったりシートを壊してしまうことになります。一方で、Bさんがつくった資料はAさんからすると、簡単にできることを面倒な方法で作成しているため資料の修正が必要になった時に全部のセルやシートを見直して修正しなければいけないため、5分で終わることを何時間もかけてやることになって全部作り直したほうが早いということにもなります。もちろん、同じレベルの人同士でも入り組んだExcelシートやマクロの解析に時間がかかることになります。これがExcel地獄です。
中小企業と大企業の現状
大企業では各部署でExcelをカスタマイズすることがほとんどで部署をまたいだExcelの受け渡しがさらに事態を深刻化させます。セル内に部署内の共有フォルダで管理しているExcelへのリンク(参照)を入れていて他部署に配布したことでその情報が更新できないため配布されていた時の最新ではあるんだろうけど・・・という状況になります。規模の小さい中小企業では部署をまたぐことはなくても担当者が不在になるとそのシートを理解して直せる人がいなかったり、担当者のレベル次第でマクロで自動化できる作業を自動化できずに時間をかけて行っているということがよくあります。また、Excel方眼紙に見られる入力フォームのExcel化は多くの企業で行われており、官公庁や自治体などの書面で見かけることが多いです
Excel集中から脱却すべき理由
ここまで書けば何が問題でなぜ脱却すべきかは言わずもがななのですが、その便利さや柔軟性の裏で作成者による格差が大きく、統一化も図られないため返って非効率を生み出すことが増えています。もちろん、丁寧な説明書をつけて引き継ぐなどの対応も考えられますが、現実には説明書を作成する手間や時間がかかったり、そもそも部署内にマクロを使える人がいないということも良くあります。実際、私も大企業でExcelマクロを多数つくってきました。Excelマクロの開発環境の説明からデバッグの方法まで(ネットで調べればわかることですが)資料を作成し退職時の引継をしたものの、それらマクロを修正するには実際に自分で調べて修正するという作業やプログラミングを学ぶ必要があり、プログラム未修者は実際にそのような場面に出くわして作業しないと困難だろうと感じました。
ではどうするのか?
ではどうするのか?Excelでやっていた作業をすべてやめるべきだという訳ではありません。ここで提案したいのは何でもかんでもExcelでやるのをやめましょうという話です。Excelでやっていることの多くは他のツールでも代替できるようになっており、その使い方を新たに覚える方がExcelで今後の作業負担が増大していくよりもはるかに楽であるということです。新たなツールの多くは単純な作業の組み合わせで使用できるため初心者にも向いています。何より多くの人が初心者なのでスタート時点での差が小さいです。
質問項目はExcelを配布せずとも、今やWebでGoogleフォームや、Microsoft Forms で作成して入力させることができます。しかもWeb上で入力させているので入力データはそのまま集計して別の業務に利用できます。従来はExcelを配布して集めたものを別シートにマクロで転記して集計させたり、そのまま帳票として保存したりしていたことが容易になります。
勤怠管理もWeb勤怠システムが各種出ており給与計算とも連動できます。発注書もWebでできます。もちろん、作業量がそもそも少ないものについてシステムを入れずにExcel等で作成することはあるでしょう。規模が大きくなって作業量が増えるようであれば既存のシステムに業務を合わせていくという考えのほうが有利に働きます。
マクロはどうでしょうか。最近バズワードとなっているRPAという言葉を聞いたことがあると思います。ロボティクスプロセスオートメーションの略ですが、作業を自動化するためのツールで、Excelに限らず多くの作業を簡単な操作で自動化できます。もちろんプログラミングをして記載したほうが極細かいことができる部分もありますが、特定のWebを巡回してデータをとってきてExcelに転記するとか、データの条件に合わせて特定の作業をして終わったらメール送信するなどの作業の自動化がExcelマクロよりも簡単に行うことができます。
以前ならExcelマクロで作成した案件でもRPAでつくることも増えてきました。特にWebと連動する作業はRPAだと作業しやすいです。RPAツールもだいぶ増えてきましたが、メジャーなUiPathに加えて、MicrosoftがowerAutomateに力を入れ始めておりWindows10ユーザー向けの無償化の話が出てきていますので、今後情報が増えていくものと思います。RPAツールはグラフィカルにフローを記載して作成するものがほとんどでExcelマクロよりは取っつきやすい人が多いと思います。プログラマの人にとってはややまどろっこしいところと現時点では全体的に動作がもっさりしているのが難点ですが、今後改善されていくものと思われます。
参考(RPA活用の例)
少しマニアックな例なのですが、個人の確定申告で海外現地口座を保有している場合には海外銀行の邦貨レートを取得して現地での利子や配当などを邦貨に変換する必要があります。その際、当該銀行が年間のレート一覧表を掲載していれば良いのですが、用意されていない場合日々の値を検索して一つ一つ確認する手間がかかります。税理士事務所などでも、このような単純作業を手で行っている場合もあるようです。以下では、UiPathの評価版を使ってベトナムのVietcombankの2020年の為替レート表から日本円の各レートを取得してExcelで一覧表にするものです。ExcelマクロではIE(インターネットエクスプローラ)操作でのデータ取得はネット上で参考例も多数あり比較的行いやすいのですが、最近はIE非対応のサイトが増えExcelマクロでのデータ取得の難度がやや上がっています。一方でRPAはChrome対応なども標準的に行えるため対応が比較的楽に行えます。
以下は開発画面です。

RPAを稼働させて実際に年間データを順番に自動で切り替えて取得している所です(Chromeを自動操作しています)

以下は最終的に取得したデータを自動で書きだしたExcel画面です。表内にある為替レートを日付順に転記しています。

画面を一つ一つ切り替えて手でデータを取得入力していくと間違いも起こりやすいですし、何よりも時間がかかります。このRPAでは他の作業をPCで行いながら11分24秒で1年分のデータの取得が完了しました。もちろん、作成には時間がかかりますがこのような定型作業を繰り返し繁忙期に行うのであれば、その学習は応用が利きますし価値があることではないでしょうか。
最後に
一気にExcelを脱却するのは困難なことかもしれません。しかし、Excelを利用を減らすという選択をしただけで業務の流れを一気に変えられる可能性があります。RPAやWebの活用はちょっとハードルが高いと思われる方もいらっしゃると思いますが、それぞれの状況に応じた適切な移行やシステムのご提案、その前段階の単なる個人作業の簡易な自動化(Excelマクロ等)などにも柔軟に対応できますので、お気軽にご相談ください。
特に会計事務所、税理士事務所など定型業務の多い所には最適なRPAシステムのご提案も可能です。
GビズIDのススメ
gBizID(GビズID)をご存じでしょうか。補助金申請をしようとしている方や最近法人を立ち上げた方はご存じのことと思います。今、日本は国を挙げて企業関連行政のDX化に力を入れようとしています。その流れの一環としてgBizIDは中心的役割を果たすことになります。
gBizID(GビズID)とは
GビズIDは簡単に言うと、1つのID・パスワードで様々な行政サービスにログインできるサービスです。そういうと、手続きはすべて他に任せてるし行政サービスにログインすることなんてないから必要ないと考える経営者の方も多いようです。しかしながら今、行政サービスは電子化がどんどんと進んでいます。
数年後には、まだ紙の書類を直接出したり受け取ったり行政機関に出向いてるの?という時代がやって来ます。
中小企業経営者が今直ちにやるべきこと
印鑑証明書の取得をして、gBizIDプライムのアカウント取得申請をすることです。メールアドレス、電話番号など基本事項の入力・印刷をして資料の郵送をするだけなので申請は難しくありません。私は起業前から周囲の方にgBizIDを取得しておくように話していましたが、まだ利用できるサービスが限定的なので取得メリットはほとんどないと感じられる説明の情報も多く実際に取得されている方もほとんどいませんでした。
そして今では、このアカウント取得申請が希望者殺到でパンクする事態になっています。現在のgBizIDアカウントの申請サイトでは以下の表示がなされています。

電子申請の需要増加に伴いとなっていますが、実際は事業再構築補助金の申請にgBizIDプライムアカウントが必要となったことが大きいと考えています。弊社が申し込んだ3月8日には2週間以上必要と表示されていましたがさらに拡大している状況です。
何ができるのか
現在の所、補助金等の申請で必要となることが目立っていますが、今まで電子証明書が必要だった電子申請について電子証明書が不要になったり、社会保険関係の手続きなどがオンラインで行えます。オンライン申請のメリットは当然ながら現地に出向かず申請できること、電子証明書が不要となるメリットは電子証明書の維持費や電子証明書の読み込み作業などが不要となることです。
最後に
gBizID に関して簡単な説明のpdfを準備しています。必要に応じてダウンロードしてください。
