GPT4登場とコンサル基礎調査での影響と活用
はじめに
ChatGPTが登場し、一般の方にも無料枠で比較的容易に使えるようになってすぐに、次のバージョンのChatGPT4が公開されました。現在、GPT4は有料プラン契約している人のみが選択して使えます。
弊社は主たる業務でコンサルティングや業務で使用するシステム開発を行っているため、いち早くその機能を確認評価する目的でAPIを利用してコンサルタント用のアシスタントをLineBotや音声チャットで開発したり、プログラミング環境のVSCodeのアドインによりその機能を利用してプログラム開発を行ってきました。GPT3.5の時点で、これは、iPhoneが出たとき以上の衝撃で、ホワイトカラーのうち中程度以下の方の価値は激減すると感じました。また、プログラマの仕事も大きく減ることは間違いないでしょう。これは、流行りのローコードとかノーコードツールという意味での話ではなく、仮にプログラムを書く必要があったとしてもその負担が大きく減る(ほぼコピペや確認で済むという意味)ということを意味しています。これらの記事を書くとボリュームも膨大になってしまうため、今回は今まで記載した基礎調査に関して、GPT4の影響があるのか、どう活用すべきかを記載します。
GPT4とGPT3.5の基礎調査での回答の簡易比較
今まで中小トラック運送業についてGPT3.5で評価してきたので同じことをGPT4でやってみました。ぱっと見では基本の出力はあまり変わっていませんが、若干賢くなっている部分は感じられます。
前回のGPT3登場初期の回答、現在のGPT3.5の回答、GPT4の回答を比べてみましょう。
GPT3登場初期の回答
大きく外している訳でもないものの、どうして?どのあたりが?という疑問も残り、もう少し詳しく調べないといけない印象です。
現在のGPT3.5(Default)の回答
全く違う回答が返ってきていますが、課題の理由や、課題の解決策を簡易的に回答してくれています。
GPT4の回答
これもまた違う回答が返ってきています。弊社では、トラック運送業での問題について調査する機会があったのですが、ドライバーの高齢化と若い世代がこの業界に興味を持たない傾向にまで触れているのには驚きました。課題の理由や、課題の解決策も簡易的に回答してくれています。
比較作業から見えた基礎調査での影響と活用
実は、ChatGPTは同じ質問をしても、毎回同じ回答が返ってくるとは限りません。特に文章表現などはほぼ毎回変わります。パラメータを増やし、LLM(大規模言語モデル)によって処理しているため、人間的といえば人間的になります。もちろん、バージョンによっても回答が変わっているのですが、どのバージョンでも、以前のGoogle翻訳のような不自然な日本語が返ってくることはありません。また、少なくともこの程度の漠然とした質問であればバージョンごとに極端に大きな差はみられないものの、網羅的な調査を行う際には、複数の人に意見を伺うのと同じように、バージョン違いで回答の差を比べるという方法も一方かと感じました。
実際、GPT4の優れているところは、その深遠な思考力や分析力(漫画などをそのまま理解できる)、広大な知識にあります。何らかのデータを入力して、それに関する分析をしたり、高度な問題を解くという場合に、その能力差が如実に現れるものだと考えています。また、メンバーとして、何らかの提案や視点を提供してもらう上で、その役割を何通りにも変化させられることから、多くの人に手伝ってもらうよりも効率的にアイデアをブラッシュアップさせるのに役立つでしょう。
いずれにしても、以前記載したようにGPT3の時点でコンサルの基礎調査段階で非常に有用な道具として活用できることは間違いがなく、初期調査の段階でGoogle検索で利用する頻度は激減するものと思います。
誤解がないように付け加えますが、出てきた回答を鵜呑みにするということではなくあくまで調査のたたき台として利用するということになります。